人件費をどう捉えているか?

例えばITリテラシーや適切なリーダーシップが取れるが給与水準が高そうな事務長的存在の採用を決めるのに躊躇する場面はよくある。会計上クリニックが支払う給与すなわち人件費は固定費に該当することに問題があるわけではない。しかしながら、雇用是非の意思決定において、これまでは単純に“給与が高いから無理”というイメージが先行し、余裕が出てきたら考えるという院長先生が多かったと思われる。昔から「人件費率」を一定水準に低く抑えることが経営的な手腕であるかのように指導されてきたとも聞いている。だが、これからの時代単純に給与を引き上げようという話題ではなく、根本的に確認しておかなければ手遅れとなってしまう視点があると考えている。 その一つは職員を院長を中心としたワンチームという捉え方ができているか? もう一つは最も有効で大切なクリニックの資産はスタッフという人であるというという視座からスタッフを見ているかということである。私は「スタッフへの教育費用」も含めて人件費とは「将来への投資」だと考えている。院長を含めた最高のワンチームを育て上げるため人件費という名の投資という捉え方をしていくことができるかが今クリニック経営に問われている命題の一つと考える。